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JVA苗木プロジェクト

多様でクリーンな苗の普及を目指して

JVAでは、気候変動、世の中のニーズに対応できる多様かつクリーンな品種(クローン)・台⽊を日本でも普及させるべく、2020年から苗木の輸入を進めてきました。それらの苗木は、JVA理事のワイナリーなどの協力のもと、隔離された環境で新たに設立された母樹園で育成しています。

 

2023年より、この母樹園から全国10社のJVA会員苗木業者に苗木出荷を開始します。これらの苗木業者はJVAのプロトコルに沿ったクリーンな環境下での量産化を進め、JVA会員であるワイナリー、ワインブドウ生産者が苗木を購入できるよう、サプライチェーン構築の準備を進めています。

苗木サプライチェーンの全体図

苗木プロジェクト図解鹿取作成.jpg
JVA会員苗木業者​順不同・敬称略 2023年3月現在)
JVAが所有する品種・クローンリスト(2023年現在)

ヴィニフェラ系

Alvarino(アルバリーニョ/ポルトガル由来)

イベリア半島の西部が原産。生育ステージ:萌芽は早い、中生。樹勢はやや強めで、誘引には注意が必要。長梢剪定が適しているとされる。豊産性ではなく房も粒も小。果皮が厚い。ややバラ房(日本の生産者より)酸性土壌、花崗岩、砂地に適する。糖度の上昇よく、酸も保持。アプリコット、ミントのような芳香を持つ。灰色かび病に強い

Chardonnay 69.1(シャルドネ69.1)

フランスのclone76に相当(フランスのディジョン原産、オレゴン大学を経てFPS)。ロワール原産。肥沃度は中庸が適している。豊産性は中程度。房重は軽から中、粒のサイズは小から中。糖度は中庸から高い。酸も中程度。全体としては、上質で香り豊かで、バランスが取れたワインに仕上がる

Cabernet Franc11.1(カベルネフラン11.1

フランスの214に相当。ロワール原産。肥沃度は痩せているか、中庸が適している。豊産性は低い。房重は軽から中、粒のサイズは小。糖度は高い。酸も中程度。色づき良い。タンニンは中庸から高め。全体としては、上質で香り豊かで、ストラクチャーのあるワインに仕上がる。

Pinot Noir 96.1

フランスのシャンベルタン近くの圃場原産。1996年にカーネロス・クリーク・ワイナリーのフランシス・マホニィが、カリフォルニアのベスト5クローンをFPSに寄贈。96は、その際にクローン“P”として寄贈(シャンベルタンからシャローンヴィンヤードを経た)。ピノ・ノワール90とカレラ・クローンは、出自が同じ。FPSでの成長点培養され、カリフォルニア・ワインブドウ・登録認証プログラムに従い、2001年にはFPSのクラシック・ファンデーションヴィンヤードに植栽。

Mencia(メンシア)

近年評価上昇しているスペインとポルトガルで栽培されているアロマティック品種。JVAのものはポルトガル由来。樹勢はそれほど強くない。小さい房、中から大の粒。萌芽は早い、熟期 中程度。うどんこ、べと、灰色かび病に感受性あり。

(2024年以降出荷予定)

タナ

プティ・マンサン

グリューナー・フェルトリーナ

ガメイ・ノワール

ハイブリッド品種品種

Vidal Blanc(ヴィダル・ブラン)

ユニ・ブラン✕セイベル4986。中生、長いバラ房。萌芽は遅く、さまざまな気候、土壌に適応する。ハイブリッドとしての耐寒性は中庸。灰カビ、ベト、黒とう病に比較的強い。トマトタバコ輪点ウィルスに弱い。シャルドネのようにさまざまなタイプのワインになる。プティ・マンサンとのブレンドなど、ブレンド用とも優れている(バージニアの生産者コメント)。他に、アロマティックなリースリング、マスカット・オトネルとも相性がいい。遅摘み、アイスワインにもよい。

​(2024年以降出荷予定)

バコ・ノワール

フロントナック・グリ

台木

•16-16C

•Freedom.1

※JVAとしての品種選択の方針は以下の通りになっています(2023年現在)。

 

  1. アメリカで実績のあるメジャーなヴィニフェラクローン主要品種)(ただし現在のところENTAV/INRA由来以外)

  2. マイナーなヴィニフェラ品種のクローン 暖かい気候・冷涼な気候に対応するもの/耐病性が期待できるもの など

  3. 耐病性/耐寒性のあるハイブリッド品種(アメリカ東海岸の実績を参考に)暖かい気候に対応/ 冷涼な気候に対応  耐病性・豊産生質の高いブドウ

  4. 台木 日本に多い火山灰土壌や肥沃な土地に強い台木品種

輸入できる本数は1年ごとに限られているため、何年もかけて少しずつ品種・クローンのバリエーションをそろえていく予定です。

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